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出張で宿泊したホテルや、日々の拘りなど徒然に。
一日着用した服には、目に見えない無数のホコリが付着していている。帰宅時、脱いだ服をハンガーに掛け、すぐクローゼットにしまっていないだろうか。ホコリは時間が経つと繊維の間に入り込んでしまう。だからといって、着用の度ごとにクリーニングに出していては、かえって生地を傷めてしまいかねない。そこで、お気に入りの服を美しく保ちたいなら、こまめにブラッシングすることをお勧めする。丁寧にブラッシングをしてホコリを取り除くことにより、繊維の呼吸を助け、シワの回復効果を促す。その結果、生地の毛並みが揃い、生地の表面が美しい状態になる。
よい洋服ブラシの条件は天然素材で静電気が起こりにくく、しなやかで、ホコリを払いやすい形状であること。毛足は少し長めで、カシミヤ、シルク、毛皮などのデリケートな生地には、豚毛よりもやわらかく、きめが細かく、かつコシがある馬毛のブラシが適している。
以上の理由から、当方では青山工房の馬毛ブラシを数年前から愛用している。
長さが21cm ほどの桂材のブラシは、しなやかな馬毛をボイルして、さらにソフトにしてから手植え。その後、板打ちはもちろん、面取り、刈り込みまで一貫して手作業で仕上げられた逸品。手刈りされた毛先は中央が高くカットされて山状になっていて、払うという動作に適している。すなわち、毛先が描く美しい曲線は機能的に意味がある。白馬の毛が二筋配されたデザインは実に粋に仕上げられている。手のひら全体で掴む柄のない意匠のため、ブラッシングすると自然に手首のスナップが効いて、生地をこするのではなく、ホコリを払うという動作を容易にする。生地の風合いを損なわない配慮だ。
日常のお手入れは使用後に手で払う程度でよく、普通に使用していれば50〜100年は使えるという代物。
当代の洒落者を気取っていながら、知らぬ間にホコリ高い人間になっていないだろうか。 ご注意あれ。
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日本職人名工会
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