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出張で宿泊したホテルや、日々の拘りなど徒然に。

 


 №9 インフルエンザ・ウイルス 

 [スペインの貴婦人]

 

平年より厳しい寒さと乾燥した日が連日続く今年の日本の冬。例年1月下旬から2月上旬にかけて流行のピークを迎えるインフルエンザ。しかし今冬は、これまでの鳥からヒトへの感染にとどまっていた鳥インフルエンザが変異し、ヒトからヒトへと感染する「新型インフルエンザ」の出現が懸念されている。現在はブティックオーナーだが、大学で薬学を専攻し薬剤師の免許を国から与えられている身としては大変気になる話題だ。

 インフルエンザ流行の記載は古く、紀元前ヒポクラテスの記述の中にそれと思われる一文があるといわれている。中世イタリアの占星術師たちは「星や寒気の影響(influentiacoeli)」と考え、この感染症を「influenza」(インフルエンザ)と呼んだそうだ。そこで「インフルエンザ」に関する書籍を検索していたら、堅苦しいタイトルの多いこのカテゴリーの中で『貴婦人』というタイトルに目がとまった。 







 


『インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人』-スペイン風邪が荒れ狂った120日
リチャード・コリヤー著 中村定訳 清流出版 ¥2,100(税込)

1918年〜1919年にかけ猛威を振るったスペイン風邪。全世界で2100万人以上の死者を出した(感染者6億人、死者4000〜5000万人という推計もある)。日本でも約40万の犠牲者が出たと推定されている。しかし風邪とインフルエンザは明確に別の疾患であり、本来「スペイン・インフルエンザ」というべきだが、現在ウイルス学の専門書でも「スペインかぜ」という名称が使われている。その「スペイン風邪」は別名「スペインの貴婦人」。スペイン王室での流行が大きく報じられたため、英語圏の人々はこれを「Spanish Lady」(スペインの貴婦人)と呼んで恐れた。

 世界を恐怖のどん底に陥れたあのインフルエンザ・ウイルスはしぶとく形を変え、現在に生きながらえている。スペイン風邪は人類が遭遇した最初のインフルエンザの大流行(パンデミック)であり、歴史から学ぶべきことは多い。新型インフルエンザの流行が危惧される今、ぜひとも読んでみたい一冊である。 







『スペインの貴婦人』
ジョン・ケース著 池田真紀子訳 ランダムハウス講談社 ¥525(税込)

もう一冊は同じタイトルだが、こちらはフィクション。北朝鮮の村が一瞬にして消滅した。唯一の生存者にして目撃者は「南」に亡命。北極圏のゴーストタウンでは永久凍土層から80年前の遺体が掘り出され、ひそかに運び去られていた。そしてアメリカの4都市で局地的に発生する季節外れのインフルエンザ。ウイルスは最先端のバイオテクノロジーにより致死率55%にまで強化されていた。何者が、いったいなぜ? 真相に迫る主人公フランク記者と生物学者アニーの身辺に忍び寄る包囲網。なぞの集団の標的はマンハッタンにしぼられた! 史上最強のウイルス・テロがニューヨークを襲う。フランクとアニーの運命は・・・ 迫真のバイオテック・スリラー。
 
 連日押し寄せている寒波だが、からだの調子はいかがだろうか。インフルエンザにかからないために効果のある方法は “丁寧な手洗い” と “うがい”  意外と簡単なのだが、これが一番。インフルエンザで熱など出していては、おしゃれなどままならない。お忘れなく。