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出張で宿泊したホテルや、日々の拘りなど徒然に。

 



 

№18

Hotel LKF by Rhombus  

ホテルLKF

デザイナーズホテル@ドラゴンシティ・香港中環



1997年7月1日午前零時、ビクトリア湾に翻るユニオンジャックが降ろされ、替わって五星紅旗が掲げられた。香港返還。夕刻から再び降り始めた100年に一度と揶揄される大豪雨の中、<Hong Kong>が<香港>になった日。
1997年、この年は返還の前後2回香港に渡航している。あれから今年の7月でちょうど10年。その間、SARS禍の2003年も含め、めまぐるしく変貌する香港をほぼ毎年のように訪れてきた。そして2007年6月、 返還10周年を目前に控え、式典の準備に追われるHotな香港を体感しに出かけてきた。
 
ステイ先は香港島セントラルミッドレベル、Hotel LKF by Rhombus−香港のハイエンドデザイナーズホテルだ。ツーリストではなくレジテントのようにステイできればベストなのだが。さて、宿泊の顛末は・・・。



香港を代表する2大老舗ホテルといえば香港島サイドのマンダリンオリエンタル、九龍半島サイドのザ・ペニンシュラ。現在、これらの香港資本のホテルグループは事業拡大を進めており、海外進出を加速させている。日本にも2006年、史上初の公式「六ツ星」ホテルの称号を授与されたマンダリンオリエンタル東京が開業し、今年9月、丸の内エリアにザ・ペニンシュラ東京が開業を予定している。日本でも知名度が上がっている。
 
優良な顧客の激しい奪い合い競争を繰り広げているホテル業界にあって、新しいスタイルのホテルも次々と誕生している。2004年、ミラノでイタリアの高級ジュエラー・ブルガリがホテル業界に進出して誕生させた「ブルガリホテル&リゾーツ」ご存知だろうか。いま香港のホテル業界でも、ブルガリホテルのようなデザイナーズホテル(スモールラグジュアリーホテル、ブティックホテルとも言われる、部屋数が少なく、モダンでデザイン性に優れたホテル)が話題になっている。Lanson Place Hotel、Hotel LKF by RhombusやJIA Boutique Hotel などがあげられる。その中でもハイエンドに位置づけられているのが、今回宿泊したHotel LKF by Rhombusだ。



Hotel LKF by Rhombusは、香港島MTRセントラル駅からビクトリア山頂側へ徒歩で5分ほど上ったところにある。香港一Snobなエリア「蘭桂坊」のアンティークショップやアートギャラリーの立ち並ぶWyndham St. 沿いに昨年7月開業した。近くには、かつて氷や乳製品の冷蔵保存庫として使われていたフリンジクラブや旧セントラル警察署など、植民地時代の面影を残すコロニアルスタイルの建造物も多く、高層ビルの谷間に古き良き時代の趣をも感じられる。 



スイートルームを含む客室全95室。一番コンパクトなG500LKFというカテゴリーの部屋でも約46平米。土地の狭い香港では余裕の広さだ。
レセプションで名前を告げて予約がある旨を伝えると、リストをチェックし、すぐに客室に案内される。予約時に高層階をリクエストしていたので25階の客室がアサインされた(ホテルが入るビルは30階建て。グランドフロアと12階以上をホテルとして使用)。レセプション左手奥のエレベータで客室階へ。エレベータを動かすにはルームキーを差し込まなければならない。セキュリティは何よりも大切である。チェックインの手続きは客室で行われる。程なくウエルカムティーがサーブされる。



宿泊したのはG600 LKFというカテゴリーの客室。広さは約60平米でキングサイズのベッドが一つ置かれている。デュベスタイルのベッドは程よいかたさ。グースダウンの枕が心地良い眠りに導いてくれる。
ワークチェアはハーマンミラー社のアーロンチェア。すわり心地はお墨付き。ビジネス客に特にうれしい配慮。




 

ターンダウン時にはポットに入れられた冷たいミルクとビスコッティがサービスされるヨーロピアンスタイル。明日の天気予報が記されたカードが添えられているのはうれしいサービス。




高層階にある客室の窓からはセントラルの街並みが一望できる。わずかだがビクトリア湾も見える。窓際のソファに身を任せて金融街の摩天楼を眺めていると、返還時の心配が稀有に終わったことが良くわかる。



ホテルは香港一の歓楽街に建っているため、低層階では深夜まで外の騒音に悩まされるかもしれない。予約時には高層階のリクエストをお忘れなく。



コンテンポラリーモダンな客室の壁には、Wing ShyaやAlmond Chuをはじめとする香港を代表するフォトグラファの写真が掲げられている。ベッドサイドにはファッション関係を中心に数冊の雑誌が置かれている。




特筆すべきはilly(イリー)のエスプレッソマシンが客室に設置してあること。カラーはロッソ(赤)。レトロでメカニカルな意匠はモダンな部屋のいいアクセントになっている。エスプレッソ好きにはたまらない。我が家にも是非一台ほしいものである。他にティーメーカーとリプトンのティーバッグも3種類用意されている。





ウエットエリアのベイシンやバスタブは十分大きい。水はねや温度調節などの点が改良されれば、もっと使い勝手が良くなるだろう。バスアメニティはモルトンブラウン。シェーバー用の115Vのコンセントがあるが、デジカメのバッテリーの充電を試みたが、サイズが合わない。仕方なくコンバータを借りたら、特大の変圧器が持ってこられた。







毎朝届けられる朝刊は『South China Morning Post』。
42インチプラズマテレビがRasonic製(Made in Korea)。

 



レストラン&スラッシュバーAZUREはホテルの最上階 2930 階にある。インテリアデザインは数々の賞に輝くデザイナーAndre Fu(AFSO)が監修。



追加料金で、宿泊客はこちらで朝食をとることが出来る。エグゼクティブラウンジの趣のある静かで落ち着いた空間。セントラルを見下ろす大きな窓から差し込む朝日を浴びながらの朝食は、一日の始まりとして重要だ。朝食で提供されるブッフェの種類がもっと多ければ、毎朝の楽しみもより増えるだろう。 


 

追加料金には、ホテルのロビーでソフトドリンクを飲めるサービスも含まれる。炎天下、坂道や階段を徒歩で上ってきた身にはうれしいサービスだ。冷たい飲み物でのどを潤しながら、スタイリッシュなロビーでしばし過ごすのも悪くない。ただし香港の他のホテルのロビーと同様、冷房の温度は冷蔵倉庫並みである。

 

さらに、この追加料金にはハッピーアワー時スラッシュバーで、種類は限られるがアルコール類も楽しめるサービスも含まれる。夜の街に繰り出す前にワンショットというのもご機嫌だ。






スタッフは若く、人数も十分で、対応も速やかだ。ゲストのリクエストに爽やかに答える様は清々しい。ただ、職業柄スタッフの制服が少々気になる。男女とも開襟の黒いシャツにゆっくりとした肩の黒スーツを着用。老舗ホテルのそれとは一味違った若々しさを感じるが、ちょっと前の黒服風。もうひと工夫が欲しいところ。 
今回の滞在で4泊したが、その間日本人らしき宿泊客には一度も遭遇しなかった。欧米系のビジネス客が多い印象を受けた。



ホテルの周辺には、あらゆるカテゴリーのショップが、これでもかこれでもかと立ち並んでいる。香港返還時、日本人観光客で溢れていたブランドショッピングの聖地「ランドマーク」も徒歩5分ほど。今年覗いてみると日本人の姿はまばらで、替わって、中国本土からの中国人観光客が買い物客の主役になっていた。ローストグースで有名な「鏞記」はさらに近い。他にもオーガニック系の「Three ixty 」をはじめとする高級スーパーマーケットやコンビニなどが多数存在する。おそらく「食べること」に関して困ることは、まずないだろう。 



ホテル内にはスパやジムといった施設がないのが残念だが、同じビル内にあるヨガスタジオではショートレッスンを有料で受けられるようだ。



セントラルというスペシャルなロケーションに居心地のいい自分の部屋を借りました、という様な感じで時を過ごせるホテル。または、香港島セントラルミッドレベルに住まうレジデントの気分をひと時味わえるホテル。ともかく香港を訪れる多くのビジネス客やファッションピープルにパッションを与えるのに十分なロケーションにあるホテルといえる。
その特異なロケーションを生かすも殺すも、今後のマネジメントしだい。ちなみにマネジメントは、カナダに本社を置くRhombusグループ。大いに期待したい。
 
(2007年6月宿泊)