MAGAZINE INDEX
出張で宿泊したホテルや、日々の拘りなど徒然に。
 

№15

Ｍｏｎｔｅｇｒａppa モンテグラッパ　　

イタリア最古のペンマニュファクチュラー

      Miya (ミヤ）
                                         セルロイド・スターリングシルバー　　
                                          18Kペン先　 エボナイト製ペン芯　　
                                   コンバーター・カートリッジ両用式　　￥81,900
 

Ｅメール、携帯電話、ファックス全盛の今日ですが、親しい人への手紙や手帳への書き込みには、好んで万年筆を使っている。その鮮やかなターコイズブルーの万年筆は眩しいほど美しく、少々面倒なシーンでも、いとわず使いたくなる。Ｍｏｎｔｅｇｒａｐpａ（モンテグラッパ）-イタリアで初めて万年筆を作った筆記具メーカーの万年筆である。

Montegrappa(モンテグラッパ）　Ｆｉｎｅ　Ｗｒｉｔｉｎｇ　Ｊｅｗｅｌｓ(書く宝飾品)　
　 1912年、イタリアの Veneto 州 Vicenza 近郊の Bassano del Grappa　で創業した Montegrappa 社は、イタリアで最初に万年筆を製造したペンマニュファクチュラーとして知られている。
   Montegrappa 以前の、他国の筆記具メーカーの製造する万年筆の多くは機能性を追及するものがほとんどで、装飾的な美しさは二の次だった。しかも、長い間にわたって黒い万年筆が完成形だと信じられてきた。そんな、機能性一本やりの万年筆に、初めて＜美＞という概念を持ち込んだのが Montegｒappa。 以来、現在まで、ヘミングウェイをはじめとする多くの作家や有名人に愛用され続けている。
　 Montegrappa で使用されるプレシャスセルロイドは透明感のある美しい色合いで、生成に約18ヶ月間をも要するというスペシャルなもの。その貴重な素材の手触りを心行くまで堪能できるモデルが＜Miya(ミヤ）＞。　所有するMiyaはターコイズブルーだが、ミッドナイトブルー、レッド、イエローと、それぞれ魅力的な色彩を放っている。
　 Miyaは、ほど良く膨らんだプレシャスセルロイドのボディーを持ち、そこに練り込まれたマザーオブパールのパウダーが妖しくも美しい光沢を放っている。
　 ギリシャ鍵模様のエングレービングが施されたスターリングシルバーのキャップリングとプレシャスセルロイドのボディーとのコンビネーションは完璧。クラシックな佇まいでありながら、鮮やかな色彩と温かく優しい手触りという調和を生み出している。
　 さらに、下の写真をよくご覧いただきたい。クリップの先端に小さなボールが取り付けられているのがお分かりいただけるだろうか。胸ポケットの生地を傷めないようクルクル回るのである。心憎い配慮である。

　 その鮮やかで美しい色彩はイタリアの陽光を思わせ、いやが上にも書くことへの気分を高めてくれる。もちろん書き味は申し分ない。
　 この美しい万年筆で綴る文字は、きっと、優しさと強い意志をもった｢愛」ある言葉を紡ぐ努力を少し軽くしてくれるに違いない。頼もしいツールである。